カムチャツカの若者が 含み損の夢を見ているとき

メキシコの娘は 朝もやの中で指し値を入れている

ニューヨークの少女が ほほえみながら含み益を確かめるとき

ローマの少年は 柱頭にかかる麻縄の輪に頭を差し入れる


この地球では
   
いつもどこかでポジがはじまっている


ぼくらはポジをリレーするのだ

経度から経度へと

そうしていわば交替で地球を守る

眠る前のひととき耳をすますと

どこか遠くでアラートのベルが鳴ってる

それはあなたの送ったポジを

誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ

                            市況2住民 「ポジのリレー」